科目名 | 刑事法 | |
担当者 | 近藤 佐保子 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 3年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 刑事法入門 -刑法総論を中心とし、刑法各論、刑事訴訟法および更生保護について概観する- | |
授業の達成目標 | 刑罰法規についての解釈を学ぶことで、法的思考(リーガルマインド)と体系的思考を養うことを目的とする。 また、国家の刑罰権とは、法益保護を通じて公的秩序を維持する一方で、憲法が保障している個人の一般的人格権を制約するものであることを理解する。 国家の刑罰権の根拠と限界づけについて、国民主権の観点から考えらるようにする。 更生保護について、加害者の社会復帰の必要性や実際の精度について理解する。 |
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今年度の授業内容 | 本講の内容は、刑法総論・刑法各論・刑事訴訟法および更生保護にわたる。 刑法総論においては、刑法の課題、刑罰の目標、犯罪行為について一般理論を習得することを目指す概観して学ぶ。 刑法各論においては、財産犯とコンピュータ犯罪を例として取り扱う。総論に比べ、具体的で理解しやすいと思われる。 刑事訴訟法においては、憲法で保障された人身の自由の具体化という観点とらえ、具体的な例として、近年導入されてきた裁判員制度による司法への参加、公訴時効に関する法改正、検察審査会の役割と法改正などを取りあげる。 また、近年、再犯予防のためには、司法と福祉の連携が重要であることが主張されてきている。社会福祉士・精神保健福祉士、そして保護司でもある講師自身の立場から、罪を犯した人の社会への復帰についてともに考えたい。 なお、今年度、本科目はオンライン形式(オンデマンド型)での実施を予定している。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 前回の授業で指示をした場合には、配布資料の該当部分を予め読んでおくこと。 |
合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 日頃から刑事法分野に対する関心を高めるため、メディアの刑事法に関する情報に積極的に触れるように心掛けるとよい。 各回の教材はできるだけ前もって閲覧できるようにしておく。 オンデマンド型であるため、授業時間に合わせて視聴する必要はないが、その次の授業までには市長しておくこと。 また、出席にかえて毎回、課題が出題される予定である。 課題は締め切りまで、2,3週間の期間をとる予定ではあるが、毎週1回は課題の内容を確認し、各課題を期限までに提出するようしてください。 |
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第1回 | 刑法の基本理念:法と道徳の区別、刑法の課題、刑罰の本質と目的 | |
第2回 | 刑法と憲法:罪刑法定主義、責任主義 | |
第3回 | 犯罪論体系:構成要件該当性・違法性・有責性 | |
第4回 | 違法性の本質:刑法における不法と責任の区別、行為無価値と結果無価値 | |
第5回 | 客観的構成要件と主観的構成要件:行為と結果の因果関係、故意の本質と種類、構成要件的錯誤 | |
第6回 | 違法阻却事由:正当防衛と緊急避難、違法性の意識の可能性、禁止の錯誤 | |
第7回 | 過失犯と結果的加重犯:過失の内容と本質、結果的加重犯における条件説と危険性説 | |
第8回 | 未遂:障碍未遂と中止未遂、未遂の概念、着手未遂と終了未遂、未遂の処罰根拠 | |
第9回 | 刑法各論(1) −財産犯の種類と概要、刑法上の財物の概念と保護の限界 | |
第10回 | 刑法各論(2) −コンピュータ犯罪と著作権侵害(Winny事件を中心として) | |
第11回 | 刑法各論(3) −コンピュータ犯罪(不正アクセスと情報の不正入手、ウイルス作成・配布をめぐる立法など) | |
第12回 | 刑法各論(4) −コンピュータ犯罪(名誉棄損、ネット詐欺、サイバーポルノとわいせつ罪をめぐる法改正など) | |
第13回 | 刑事訴訟法の現代的課題 −裁判員制度・検察審査会制度と国民の司法参加、公訴時効の改正と問題点 | |
第14回 | 更生保護 −更生保護制度および医療観察制度の概要と課題 | |
授業の運営方法 | 今年度は、オンデマンド型のオンライン形式で実施予定である。 理論的にやや難解な部分もあると思われるので、できるだけわかりやすい事例を挙げて解説する。 出席は各回の課題提出をもって代える予定。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 課題の締め切り後の授業で課題の解説を実施する。 またPortalのQ&Aサイトで質問への回答を行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 20% | 遠隔授業の場合は期末レポートに変える |
小論文・レポート | 80% | 各回の課題を出題し、その総計をもって評価する |
テキスト | プリントまたはファイルで配布する。 |
参考文献 | ・ポケット六法 令和6年度版//有斐閣/2023/ 2420円 978-4641009240 刑法の専門的な体系書のひとつとして以下のものがある ・刑法総論講義 前田雅英 第7版/有斐閣/2019年/3960円 978-4130323901 ・刑法各論講義 前田雅英 第7版/有斐閣/2020年/4180円 978-4130323925 比較的読みやすい入門書として以下のものが参考になると思われる。 ・基礎から学ぶ刑事法 井田良 第6版/有比較アルマ/2017年/1780円 978-4641220997 ・裁判員のための刑事法入門 前田雅英 /東京大学出版会/2009年/2420円 978-4130332040 ・裁判員のための刑法入門 船山泰範・平野節子/ミネルヴァ書房/2008年/2420円 978-4623051700 ・始めて学ぶ法律「刑法」「刑事訴訟法」 三修社編集部/三修社/2012年/2420円 978-4384045093 |
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