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科目名ストレス・マネジメント
担当者鈴木 眞理
開講期2024年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目ストレス・マネジメント
授業の達成目標ストレスとは人が外的環境からうける刺激である。特に、心理社会的ストレスは多くの疾患の原因や増悪因子になる。本授業の目的は、1)ストレス要因を説明できるようになる、2)ストレスによって引き起こされる心身の反応を説明できるようになる、3)ストレスを減らす、認知を変える、コーピングスキルの向上、ストレス反応への介入などのマネジメント方法を説明できるようになる、4)学校・職場・地域でのストレスマネジメントの実践方法を説明できるようになる、さらに、5)自分のストレス・マネジメントを向上させることである。
今年度の授業内容ライフイベントはお祝い事でもストレス要因になること、ストレスがどのような身体的症状を起こすのか、さらに、ストレス関連疾患について解説する。ストレスによる悪影響を減らすためのストレス・マネジメントには、ストレスそのものを減らす、認知を変える、コーピングスキルの向上、ストレス反応低減法があることを解説して、タイプA~D行動パターンやレジリエンスなど個人的要因にも触れる。講義内で自記式心理テストを行い、自身のストレス状態の程度やコーピングスキルについてフィードバックを行う。学校・職場・地域でのストレスマネジメントの実践方法を紹介する。これらの学びが自身のストレス・マネジメントに貢献できることを期待する。
準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について1)使用するスライドのPDFを授業の3日前にポータルの授業資料管理に掲載するので、予習して疑問点を整理しておく。
2)授業の理解度を把握するために、適時、クリッカー管理に質問を提出する。授業時間内にクリックする時間を設ける。全体の回答結果を次の授業の冒頭ででフィードバックする。
  心理学検定の問題を引用する場合は、その解説を行うので、復習すること。
3)Q&Aで質問できる。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項日頃からストレス・マネジメントに関する情報に関心を持って過ごす。
第1回ストレッサーとストレス反応:
ストレスの語源や種類、心理社会的ストレッサーの重要性、ストレッサーが生物にどのような影響を与えるのかについてホルモン系の反応も含めて概説する。
第2回ストレス要因としてのライフイベント:
ライフイベントの点数化や疾患関連性(について学ぶ。
自身のストレスの程度を学生用ハッスルスケールで調べる。
第3回ストレス関連疾患:
ストレスがその発症と維持に関連する疾患の種類と病態について学ぶ。
思春期・青年期に多い過敏性腸症候群、バセドウ病、摂食障害について解説する。
第4回ストレスマネジメントの方法:
ストレスマネジメントには1)ストレッサーの軽減、2)ストレッサーに対するとらえ方・考え方を変える(認知)、3)対処方法(コーピングスキル)を向上させる、4)ストレス反応を軽減(リラクセーション、マインドフルネスなど)がある。なぜ自分を苦しめる物事の捉え方をするのか?ー認知と自動思考と題して、スキーマと自動思考を知る。
「全か無か思考」「極端な一般化」「心のフィルター」「べき思考」など認知の偏りを知る。
偏った認知の修正方法として、ダブルカラム法、認知的再構成法の概略を学ぶ。
自分のストレス事象をもとに、自動思考記録表を作成する。

第5回認知行動療法と自己効力感:
偏った認知の修正方法として、認知療法・認知行動療法を知る。
うつ病と認知行動療法のビデオ視聴する。

第6回ストレスコーピング:
不快な気分や人間関係の調整で必要とされるコーピングを学ぶ。
認知的ストラテジー(問題志向)と情動的ストラテジー(情動志向)のコーピングの種類を知る。
自記式心理テスト(ラザルス式ストレスコーピングインベントリー)で自身のストレスコーピングの特徴を知る。
第7回ストレスに強い人:
自己効力感、自尊心、レジリエンス、タイプA、B、C、D行動パターンなどを学ぶ。
自記式心理テストで自身の全般性自己効力感を評価する。
第8回ソーシャルスキル(社会生活技能):
アサーションやアンガーマネジメントなどソーシャルスキルがより良い人間関係の構築に必要で、ストレス・マネジメントのために有用なスキルであることを学ぶ。
第9回ストレス反応の軽減方法:
腹式呼吸法、筋弛緩法、自律訓練法、マインドフルネスなどリラクセーションの方法について学ぶ。
マインドフルネス認知療法のビデオを視聴する。
第10回学校でのストレスマネジメント:
子供のストレス、子どもの自殺、不登校の現況について紹介し、学校現場で行われているストレスマネジメント(ソーシャルスキルの向上など)の実際について概説する。
第11回職場のストレスマネジメント:
職業性ストレスモデル、厚生労働省「心の健康作り指針」、企業での取り組み、ストレスチェック制度、ハラスメントの対応などについて概説する。
「動画で学ぶ職場環境改善」のビデを視聴する。
自記式テストで自身のキャリア自己効力感を測定する。
第12回特別講義:メイクのストレス軽減効果(タイトルは変更することがあります)
講師 公益社団法人顔と心と体研究会 理事長 かづきれいこ氏
   メイクボランティア事業(笑顔を引き出すお手伝い)やメンタルメイクセラピスト育成と資格認証事業を行っている。
   病気や手術後の外見の障害をメイクで軽減する「リハビリメイク」の開発者。
   著書「化粧医学ーリハビリメイクの心理と実践ー」がある。


第13回地域でのストレスマネジメント:
「健康日本21」の心の健康とストレス対策に対する自治体の取り組みを紹介し、日本人の睡眠不足や睡眠負債を解説する。
第14回被災地でのストレスマネジメントとまとめ:
災害で発症する急性ストレス障害 や心的外傷後ストレス障害と支援について概説する。
学生が希望するストレス関連疾患の予防・治療について説明する。
最終回にあたり、ストレス自己診断(身体的、精神的、情緒的、社会的健康度スコア)を行う。
授業の運営方法スライドを用いて授業を行う。授業スライドのPDFは授業資料管理に掲載している。対面授業では食事や私語は慎むこと、脱水予防のための飲水は許可。
スマホ出席システムを利用するのでスマホを持参すること。授業時間内にスマホ出席ができない場合は申し出ること。
14回すべての講義に出席するだけで単位取得は可能である。


課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法学期末試験の解答と解説はフィードバックする。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 40%
小論文・レポート 0%
授業参加 60% スマホ出席
その他 0% 実施しない。
テキスト 本講義内容を網羅する適切な教科書を見いだせないので、指定なし。
参考文献 1)ストレス・マネジメント入門 第2版-自己診断と対処法を学ぶ
中野 敬子 (著) 金剛出版 2016年
2)実践!ストレスマネージメント-ストレスの解決・解消と職場のコミュニケーション 心の健康10の原則付き
渡辺 洋一郎(著) 日本生産性本部 生産性労働情報センター 2018年
3)ストレスマネジメント-実践的セルフケア
山本晴義(監修) 押川 聖子(著) 新興医学出版社 2019年
関連ページ 日本産業ストレス学会 http://jajsr.umin.ac.jp/
日本ストレス学会 http://jass.umin.jp/index.html
日本ストレスマネジメント学会 https://plaza.umin.ac.jp/jssm-since2002/
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【全学共通科目】