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科目名ストレス・マネジメント
担当者鈴木 眞理
開講期2023年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目ストレス・マネジメント
授業の達成目標ストレスとは人が環境からうける刺激である。特に、心理社会的ストレスは多くの疾患の原因や増悪因子になる。本授業の目的は、1)ストレス要因を説明できるようになる、2)ストレスによって引き起こされる心身の反応を説明できるようになる、3)ストレスを減らす、認知を変える、コーピングスキルの向上、ストレス反応への介入などのマネジメント方法を説明できるようになる、4)学校・職場・地域でのストレスマネジメントの実践方法を説明できるようになる、さらに、5)自分のストレス・マネジメントを向上させることである。
今年度の授業内容ライフイベントはお祝い事でもストレス要因になること、ストレスがどのような身体的症状を起こすのか、さらに、ストレス関連疾患について解説する。ストレスによる悪影響を減らすためのストレス・マネジメントには、ストレスそのものを減らす、認知を変える、コーピングスキルの向上、ストレス反応低減法があることを解説して、タイプA行動パターンやレジリエンスなど個人的要因にも触れる。講義内で自記式心理テストを行い、自身のストレス状態の程度やコーピングスキルについてフィードバックを行う。学校・職場・地域でのストレスマネジメントの実践方法を紹介する。これらの学びが自身のストレス・マネジメントに貢献できることを期待する。
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について1)使用するスライドのPDFを授業の3日前にポータルの授業資料管理に掲載するので、予習して疑問点を整理しておく。
2)出席管理と授業の理解度を把握するために、毎回、クリッカー管理に1題の質問を提出する。授業時間内にクリックする時間を設ける。全体の回答結果を次の授業の冒頭ででフィードバックする。心理学検定の問題を引用する場合は、その解説を行うので、復習すること。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項期末テストは実施せず、ストレス・マネジメントに関する小論文で評価する。日頃からインターネット、新聞、雑誌などのメディアや著書でストレス・マネジメントに関する話題を心がけて読んで、小論文のテーマを探しておく。
 第1回ストレッサーとストレス反応:ストレスの語源や種類、ストレスが生物にどのような影響を与えるのかについてホルモン系の反応も含めて概説する。
 第2回ストレス要因としてのライフイベント:ライフイベントの点数化や疾患関連性について学ぶ。自身のストレスの程度を学生用ハッスルスケールで調べる。
 第3回ストレス関連疾患:ストレスがその発症と維持に関連する疾患の種類と病態について学ぶ。思春期・青年期に多い過敏性腸症候群、バセドウ病、摂食障害について解説する。
 第4回ストレスマネジメントの方法:ストレスマネジメントには1)ストレッサーの軽減、2)ストレッサーに対するとらえ方・考え方を変える(認知)、3)対処方法(コーピングスキル)を向上させる、4)ストレス反応を軽減(リラクセーション、マインドフルネスなど)がある。これらについて概説する。
 第5回認知の修正:否定的な認知、低い自己評価、不合理な信念とその修正方法、認知行動療法とうつ病などへの応用を学ぶ。うつ病と認知行動療法のビデオを視聴する。
 第6回ストレスコーピング:不快な気分や人間関係の調整で必要とされるコーピングを学ぶ。認知的ストラテジー(問題志向)と情動的ストラテジー(情動志向)のコーピングの種類を知る。さらに、自記式心理テスト(ラザルス式ストレスコーピングインベントリー)で自身のストレスコーピングの特徴を知る。
 第7回ストレスに強い人:自己効力感、自尊心、レジリエンス、タイプA、B、C、D行動パターンなどを学ぶ。自記式心理テストで自身の全般性自己効力感を評価する。
 第8回ソーシャルスキル(社会生活技能):アサーションやアンガーマネジメントなどソーシャルスキルがより良い人間関係の構築に必要で、ストレス・マネジメントのために有用なスキルであることを学ぶ。
 第9回ストレス反応の軽減方法:腹式呼吸法、筋弛緩法、自律訓練法、マインドフルネスなどリラクセーションの方法について学ぶ。
 第10回学校でのストレスマネジメント:子供のストレス、子どもの自殺、不登校の現況について紹介し、学校現場で行われているストレスマネジメント(ソーシャルスキルの向上など)の実際について概説する。
 第11回職場のストレスマネジメント:職業性ストレスモデル、厚生労働省「心の健康作り指針」、企業での取り組み、ストレスチェック制度などについて概説する。自記式テストで自身のキャリア自己効力感を測定する。
 第12回地域でのストレスマネジメント:「健康日本21」の心の健康とストレス対策に対する自治体の取り組みを紹介し、日本人の睡眠不足や睡眠負債を解説する。
 第13回被災地でのストレスマネジメントとまとめ:災害で発症する急性ストレス障害 や心的外傷後ストレス障害と支援について概説する。学生が希望するストレス関連疾患の予防・治療について説明する。最終回にあたり、ストレス自己診断(身体的、精神的、情緒的、社会的健康度スコア)を行う。
授業の運営方法スライドを用いて授業を行う。授業スライドのPDFは授業資料管理に掲載している。対面授業では食事や私語は慎むこと、脱水予防のための飲水は許可。出席はクリッカー管理で、1質問に授業時間内にクリックで回答することで確認する。授業時間内にクリックする時間を確保するので、スマホやパソコンを持参すること。授業時間内にクリックができない場合は申し出ること。13回すべての講義に出席するだけで単位取得は可能である。


課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法クリッカー管理の質問への出席者の回答、正解と解説はフィードバックを行う。
小論文は全体の講評と各自の論文へのコメントを、ポータルの課題管理でフィードバックする。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない。
小論文・レポート 40% ストレス・マネジメントに関する本文800字以内の小論文。
授業参加 60% クリッカー管理で回答することで出席とする。
その他 0% 実施しない。
テキスト 指定なし
参考文献 1)ストレス・マネジメント入門 第2版-自己診断と対処法を学ぶ
中野 敬子 (著) 金剛出版 2016年
2)実践!ストレスマネージメント-ストレスの解決・解消と職場のコミュニケーション 心の健康10の原則付き
渡辺 洋一郎(著) 日本生産性本部 生産性労働情報センター 2018年
3)ストレスマネジメント-実践的セルフケア
山本晴義(監修) 押川 聖子(著) 新興医学出版社 2019年
関連ページ 日本産業ストレス学会 http://jajsr.umin.ac.jp/
日本ストレス学会 http://jass.umin.jp/index.html
日本ストレスマネジメント学会 https://plaza.umin.ac.jp/jssm-since2002/
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【全学共通科目】