科目名 | コミュニティ心理学 | |
担当者 | 大橋 智 | |
開講期 | 2024年度春学期 | |
科目区分 | 集中講義 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | ⼈々の⼼理的な問題は、家庭、学校、職場で直⾯する問題を契機に明らかになることも多い。こうした場合、地域の様々な場で相談室を設置し、専⾨の担当者を配置するなど、問題を抱える⼈々を⽀援できる体制が整っていることが重要である。 この授業では、⼈の⽣活にとって、なぜコミュニティが必要かを理解するとともに、地域社会における教育、福祉、医療などの機関が果たす援助活動の役割と⽅法について学び、有効な地域の⽀援活動とその連携のあり⽅とは何かを考える。 |
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授業の達成目標 | 本講義の授業の達成目標は下記の通りである。 1. コミュニティ⼼理学を実践するものとしてのあり⽅を⾝につけ、生産的な討議ができるようになる。 2. コミュニティ⼼理学の成り⽴ちを理解し、説明できるようになる。 3. コミュニティ⼼理学の実践から⾝近なコミュニティへの援助について考え、独自の考察を踏まえ論述できるようになる。 4. コミュニティ⼼理学における実践と研究のあり⽅を理解し、実践にあたっての計画を立案できるようになる。 |
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今年度の授業内容 | コミュニティ⼼理学は「コミュニティへの介⼊」に関する⼼理学的諸科学の総合領域です。 コミュニティ⼼理学は、(1)社会的システムや環境⾯の⼈間⾏動におよぼす⼒を重視していること、(2)⼈と環境の適合を図るために、環境の改善へ向けての介⼊⽅法や⽅略を考え、実際にコミットすること、(3)その介⼊⽅法や戦略の基礎になる研究について、新しいパラダイムを模索しながら進めていこうとする、きわめて実践的な⼼理学とされています。 本講義では、実践的なコミュニティ⼼理学の基盤となる歴史的背景から、実際に⾏われている実践の例の紹介までを扱い、受講者が理解と実践への端緒を掴むことができることを⽬的とします。 |
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準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前に教科書の関連項目を読み、内容を理解しておく。授業後は内容を振り返り、復習のノートを作成するなど理解を深めること。(4時間程度) | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | この科⽬は、カウンセリングや臨床⼼理学の実践現場に関⼼のある者だけでなく、社会学の視点から地域社会や社会⽀援の問題を学ぼうとする者にも⼗分役⽴つ内容を含んでいる。 したがって⼼理的な視点と社会的な視点の両⽅を持つように⼼がけ、関連する報道などにも⽇常ら注意を向けてもらいたい。 |
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第1回 | コミュニティ心理学とは何か この講義では、コミュニティ心理学に関わる概念・定義・理念の概要について紹介する。 |
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第2回 | コミュニティ⼼理学の歴史的背景‧背景となる理論 この講義では、 コミュニティ心理学の歴史やその背景となった歴史的な出来事、背景となっている心理学的な理論について紹介する。 |
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第3回 | コミュニティ⼼理学の介⼊・援助とその評価:危機介⼊ この講義では、 コミュニティ心理学の介入・援助の技法である「危機介入」について、理論の導出された歴史的背景や介入・援助技法について紹介する。 |
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第4回 | コミュニティ⼼理学の介⼊・援助とその評価:予防的介⼊ この講義では、 コミュニティ心理学の介入・援助の技法である「予防的介入」について、理論の導出された歴史的背景や介入・援助技法について紹介する。 |
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第5回 | コミュニティ⼼理学の介⼊・援助とその評価:コンサルテーション(1):精神保健コンサルテーション この講義では、 コミュニティ心理学の介入・援助の技法である「精神保健コンサルテーション」について、理論の導出された歴史的背景や介入・援助技法について紹介する。 |
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第6回 | コミュニティ⼼理学の介⼊・援助とその評価:コンサルテーション(2):⾏動コンサルテーション この講義では、 コミュニティ心理学の介入・援助の技法である「行動コンサルテーション」について、理論の導出された歴史的背景や介入・援助技法について紹介する。 |
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第7回 | コミュニティ⼼理学の介⼊・援助とその評価:プログラム評価 この講義では、 コミュニティ心理学の介入・援助の技法である「プログラム評価」について、理論の導出された歴史的背景や介入・援助技法について紹介する。 |
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第8回 | コミュニティ⼼理学の介⼊・援助とその評価:臨床⼼理学的地域援助 この講義では、 コミュニティ心理学の介入・援助の技法である「臨床心理学的地域援助」について、理論の導出された歴史的背景や介入・援助技法について紹介する。 |
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第9回 | 家庭・地域におけるコミュニティ心理学の実践:ゴミのポイ捨て この講義では、コミュニティ心理学の実践について、「ゴミのポイ捨て」を例に研究実践事例を紹介する。 |
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第10回 | 学校・教育の場におけるコミュニティ心理学の実践: スクールカウンセリング この講義では、コミュニティ心理学の実践について、「スクールカウンセリング」を例に研究実践事例を紹介する。 |
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第11回 | 学校・教育の場におけるコミュニティ心理学の実践: 特別?援教育 この講義では、コミュニティ心理学の実践について、「特別支援教育」を例に研究実践事例を紹介する。 |
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第12回 | 産業・職場におけるコミュニティ心理学の実践:職場のメンタルヘルス この講義では、コミュニティ心理学の実践について、「職場でのメンタルヘルス」を例に研究実践事例を紹介する。 |
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第13回 | 医療・保健・福祉の場におけるコミュニティ⼼理学の実践:⺟⼦保健事業 この講義では、コミュニティ心理学の実践について、「母子保健事業」を例に研究実践事例を紹介する。 |
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第14回 | 災害?援・社会的危機におけるコミュニティ心理学の実践:被災地?援 この講義では、コミュニティ心理学の実践について、「被災地支援」を例に研究実践事例を紹介する。 |
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授業の運営方法 | 教場でのスライド資料を用いた講義を行う。授業内では適宜、グループワーク等の履修生間の課題検討などを行う。 |
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課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 各回の課題レポートやコメントシートの返却をポータルを通して行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
小論文・レポート | 60% | ルーブリック評価を行う |
授業参加 | 40% |
テキスト | よくわかるコミュニティ心理学 [第3版] (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ) 植村勝彦, 高畠克子, 箕口雅博, 原 裕視, 久田 満 編著 出版社 : ミネルヴァ書房; 第3版 (2017/10/30) ISBN : 978-4623080915 定価 2750円 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【全学共通科目】 |
実務経験の概要 | 公認心理師・臨床心理士 |
実務経験と授業科目との関連性 | 学校教育・福祉の領域における経験を通して、コミュニティ心理学の実践について講義を行う。 |