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科目名環境心理学
担当者小林 美紀
開講期2023年度春学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目人は環境から何を感じ、どう環境を変えればよいのか
授業の達成目標ここでの「環境」とは、「人のまわりにある全てのコト・モノ」を示し、いわゆる「環境問題」の「環境」とは意味が異なる。環境心理学とは、「人間」と空間や場所をはじめとした周囲にある様々な「環境」との関係を心理的に考察する学問である。人は環境からどのような影響を受けるのか、人は環境をどのように変えて使いこなすのか、環境や暮らし方などの有様を捉えて、環境デザインへ活かしていくことができる。
 環境が心理的な諸問題の原因や解決策にもなりうることを説明できることはもちろんのこと、各自が身近な環境への感受性を強くし、日常生活をより快適に暮らすための術を身につけることができる。
今年度の授業内容環境心理学における基礎理論について、今日的な種々のトピックや日常生活の中で体験する事例を交えながら解説・体感する。
 具体的には、建築・都市空間を中心とした対象について、認知・評価・行動の側面から、これまでの研究で明らかにされてきた事柄を整理して講述する。また、学生自身が環境に対して日常生活の中で考察していく時間も取り入れることで、建築・都市などの身近な環境に関して人間的視点から洞察する能力を磨くようにする。
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前学修(週1時間):事前に教科書の関連箇所を読んで、内容を理解しておく。
事後学修(週3時間):授業後は授業内容と対応した授業資料をもとにまとめ直して理解を深める。また、いくつか授業内容と関連した課題が課されるので、期限までに提出する。
合計60時間
自習に関する一般的な指示事項授業で扱う教科書の内容に関して、日常生活の中から具体的なトピックを見出せるよう、ニュース等の記事や自分の身近な環境を常に意識するようにしてください。
 第1回環境と心理のかかわり: 環境心理学とは、環境心理学の誕生と歴史、心理学・建築学での位置づけなど
 第2回環境のほのめかし: アフォーダンス、行動場面 など
 第3回聴覚と心理: 環境の把握、ラウドネス、サウンドスケープ など
 第4回視覚と心理: 感覚・知覚、環境の把握、色彩、照明 など
 第5回他者のいる環境: パーソナルスペース、人間同士の距離と向き など
 第6回環境との結びつき: テリトリー、プライバシー、コミュニケーション、ソシオメトリー など
 第7回環境の認知: 空間認知、認知地図 など
 第8回環境と行動: 経路探索、動線、サイン計画 など
 第9回環境と安全1: 安心と安全、防犯など
 第10回環境と安全2: 防災、避難、被災後のケアなど
 第11回環境の評価: 評価の傾向と個人差、環境によるストレス 快適性、美学など
 第12回少数派の環境: 高齢者の環境、障害者の環境、子供の環境 など
 第13回環境の使いやすさ: 環境デザイン、フェールセーフ、バリアフリーとユニバーサルデザイン など
 第14回環境の実現: プログラミング、POE など
 第15回環境の調節: 使い手による環境づくり、環境心理学の今後 など
授業の運営方法毎回の授業は基本的に教科書に基づき、その内容の補足資料や今日的なトピックを紹介し、授業で講じた各トピックについてほぼ毎回簡単な小課題を課す。なお社会や学生の状況に応じて授業内容は適宜修正することがある。
遠隔授業の実施に関しては、オンデマンドによる映像配信となる。具体的な内容は「その他、履修生への注意事項」を参照のこと。
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法小課題の回収後、特徴的な見解の紹介や典型的な誤解などについて解説する。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
定期試験 0% 実施しない
小論文・レポート 85% ほぼ毎回の授業時間中に出す復習的な小課題といくつかの宿題を通して、授業内容の理解の度合で評価を行う。
授業参加 15% 積極的・協力的な受講態度によって評価を行う。
その他 0%
テキスト 『環境心理学−環境デザインへのパースペクティブ−』/槙 究/春風社/2020年/ 1,540円/ 電子書籍( ※ 生協で電子版を購入可能, ※既に所有の紙版でも可)

参考文献 『安全で心地よい環境をつくる人間都市学』/大野隆造・小林美紀/井上書院/2011年/2,970円/ISBN=978-4753017553
『建築・都市計画のための 空間学事典 [増補改訂版]』/日本建築学会編/井上書院/2016年/3,850円/ ISBN= 978-4753001088
『建築・都市計画のための調査・分析方法 [改訂版]』/日本建築学会編/井上書院/2012年/4,180円/ ISBN= 978-4753017546
『空間五感 世界の建築・都市デザイン』/日本建築学会編/井上書院/2021年/2,750 円/ISBN= 978-4753017645
『都市・建築デザインのための人間環境学』/日本建築学会編/朝倉書店 /2022年/2,750円/ISBN=978-4254266511
その他、履修生への注意事項 常に自分のまわりの身近な環境を意識するようにしてください。
課題等も随時出るので、最近の情報を手に入れるよう注意してください。
予めアナウンスする次回の内容に該当する教科書の単元を読んで、予習しておくようにしてください。

遠隔授業の実施方法は、オンデマンドによる配信とし、①基本的に教科書に基づいて、ポータルを通して実施します。授業資料や小課題・宿題はポータルに提示します。②質問や意⾒交換などは、ポータルの「クラスプロファイル」の中の「クラスフォーラム」から行います。
なお、遠隔授業時における出席の取り方は、授業終了後にポータルを通じての課題提出をもって出席とします。


卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【全学共通科目】