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科目名科学史
担当者小口 峰樹
開講期2024年度秋学期
科目区分週間授業
履修開始年次1年
単位数2単位
授業の方法講義
授業題目脳科学からの科学史・科学論⼊⾨
授業の達成目標科学論とは、科学を社会や文化との関わりにおいて捉えることで、「科学とは何か?」、「科学は私たちの生活とどう結びついているか」、「科学は一体どうあるべきか?」といった問いを明らかにしようとする学問です。本授業では、科学の生み出す知識はどういった特徴をもっているか、科学はどのような方法によって営まれているか、科学は私たちの生活や社会とどのように結びついているか、といった問題に対して、科学史上の論争や現代の脳科学を題材として取り組むことで、科学という営みに対する基本的な理解を身につけるとともに、上記の問いに対して主体的に考え、それを表現できるようになることを?指します。
今年度の授業内容私たちの⽣活は科学技術と不可分に結びついており、もはやそれなしには成り⽴ちえません。しかし、科学技術は私たちに恩恵を与えるだけではなく、ときに新たな問題や害悪を⽣み出す原因ともなりえます。本授業では、科学史上のさまざまな題材をもとに科学論の基本的な概念について学び、また、近年、著しい発展を⾒せている脳科学や、⼈⼯知能をはじめとするその応⽤技術を題材として科学と社会の関係性について考えることで、⼀⼈⼀⼈が責任ある「市⺠」として科学とどのように付き合うべきかを考えます。

準備学修予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について事前にポータルに掲出される各回の授業スライドを通覧し、分からない箇所や疑問に思う箇所をあらかじめ整理しておく。授業後は授業スライドを見直し、各回に提出する小課題の問題に取り組む。 合計60時間
自習に関する一般的な指示事項新聞やニュースサイトなどに掲載される科学ニュースに触れ、日頃から科学に対する関心を養うこと。
第1回ガイダンス:なぜ科学論を学ぶのか?なぜ脳科学なのか?
第2回科学論入門(1) 科学理論の「よしあし」はどう決まるのか? 進化論vs.創造論、天動説vs.地動説を題材に
第3回科学論入門(2) 科学はどんな「方法」で営まれているのか? 科学的説明・科学的推論・仮説演繹法
第4回科学論入門(3) 理論や仮説はどうやって「検証」されるのか? 自然発生説が否定された歴史を題材に
第5回脳科学小史 古代エジプトから現代の技術発展まで
第6回脳科学と人間観(1) 「知覚」はどれほど信頼できるか?
第7回脳科学と人間観(2) 「記憶」はどれほど信頼できるか?
第8回脳科学と人間観(3) 「自由意志」は幻想にすぎないのか?
第9回脳科学と人間観(4) 「道徳」にとって感情は邪魔なのか?
第10回脳科学と社会(1) ブレイン・マシン・インターフェイス:脳と機械をつなぐ技術
第11回脳科学と社会(2) 精神疾患:脳科学から見た心の病
第12回脳科学と社会(3) 脳オルガノイド:脳を培養する、脳を融合する
第13回脳科学と社会(4) 人工知能:AIは人間の脅威となるか?
第14回まとめ&レポート書き方ミニ講座
授業の運営方法講義形式で行う。講義には事前にポータルを通じて配布するスライドを用いる。毎回、授業の内容に関する小課題を出題し、授業の終わり5~10分をその解答にあてる。小課題には質問欄を設け、各講義で生じた疑問を挙げてもらい、次回講義の冒頭でそれらの疑問に答えるという形をとる。したがって、各自が積極的に質問を提示することが望まれる。
課題試験やレポート等に対するフィードバックの方法⼩課題の解答例は次回の授業で⽰す。必要に応じて⼩課題の解答について解説を⾏う。
評価の種類 割合(%) 評価方法・評価基準
小論文・レポート 50% 期末レポート
授業参加 50% 毎回の⼩課題、授業コメント
参考文献 信原幸弘・原塑・⼭本愛実編、『脳神経科学リテラシー』、勁草書房、2010年、3,240円、978-4326102013
⼾⽥⼭和久著、『「科学的思考」のレッスン』、NHK出版、2011年、929円、978-4140883655
植原亮著、『思考⼒改善ドリル: 批判的思考から科学的思考へ』、勁草書房、2020年、2,200円、978-4326102853
信原幸弘編、『ワードマップ ⼼の哲学』、新曜社、2017年、2,808円、」978-4788515253
紺野⼤地・池⾕裕⼆著、『脳と⼈⼯知能をつないだら、⼈間の能⼒はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線』、講談
社、2021年、1,760円、978-406526515
坂上雅道監修、『世界最先端の研究が教える すごい脳科学』、総合法令出版、2022年、1,430円、978-4862808615
坂上雅道・小松英彦・武藤ゆみ子編、『教養としての脳』、共立出版、2024年、3,630円、978-4320058422
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 カリキュラムマップ【全学共通科目】