科目名 | 日本文学 | |
担当者 | 中島 輝賢 | |
開講期 | 2023年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | <旅>からみる日本文学 | |
授業の達成目標 | <旅>は、あるべき場所から離れるという意味で、非日常である。人は、日常と非日常を往還しつつ生きている。その非日常の中でも<旅>は重要なものであり、また文学と深く長く関わっている。非日常的空間としての文学を考え直すことを通じて、<旅>をもとにして日本文学を読み解くことに必要な知識と方法を身につける。それによって、自分の<旅>観・<旅>文学観を構築する。さらに、その価値観に基づいて、各々が文学作品に適切な解釈を行い、その作品についての自分の考えを説明できるようになることを目標とする。 | |
今年度の授業内容 | 具体的な文学作品に登場する<旅>の分析を通じて、そこに描かれる人物・出来事・風景などの持つ意味を多面的に考察する。特に、時代背景・生活環境・性差・身分差に注意し、それぞれの作品における<旅>の様相を理解することを通じて、<旅>をもとにして日本文学を読み解くことに必要な知識と方法を身につける。 | |
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 予め配布する授業資料(文学作品のテキスト)は、必ず精読し、分からないことを辞典・事典などを使って調べておくこと。そして自分の課題をもって授業に臨むこと。疑問点をまとめておくと良い。授業開始時に質問をする場合があるので、答えられるように備えておくこと。授業後は内容を振り返り、理解が深まったポイントを確認しておくこと。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 取り上げる作品は一部を提示することが多いが、できる限り興味を持って全編を読むことが望ましい。分からないことを調べるときには安易にネットに頼らず、信頼できる情報であることを確認すること。 | |
第1回 | <旅>を考えるトレーニング 「テキストを読む」とはどういうことか | |
第2回 | <旅>とは何か 「旅について」(三木清『人生論ノート』所収)を読む。 | |
第3回 | 『万葉集』の<旅> 遣新羅使人歌を読み、<旅>の歌の類型について理解する。 | |
第4回 | 『伊勢物語』の<旅>(その1) 後世に多大な影響を与えた東下りを読む。 | |
第5回 | 『伊勢物語』の<旅>(その2) 西下りをよみ、東下りとの差異を考える。 | |
第6回 | 配流という<旅> 『大鏡』の菅原道真配流記事を読む。 | |
第7回 | 西行という存在 旅人として大きな影響のあった西行の事績を和歌作品でたどる。 | |
第8回 | 中世女性の<旅> 『とはずがたり』を読み、旅体験について考える。 | |
第9回 | 歌枕の成立と展開(その1) 歌枕表現の成立と機能について考える。 | |
第10回 | 歌枕の成立と展開(その2) 様々な歌枕を実際の作品に触れつつ鑑賞する。 | |
第11回 | 古典芸能の<旅>(その1) 古典芸能の鑑賞方法を身につける。 | |
第12回 | 古典芸能の<旅>(その2) 古典芸能を鑑賞し、作品における<旅>の機能について考える。 | |
第13回 | 近世の<旅> 『東海道中膝栗毛』を読み、旅文化の変質について考える。 | |
第14回 | 近代の<旅> 『倫敦塔』(夏目漱石)を読み、その表現と体験について考える。 | |
第15回 | 現代の<旅> 現代社会の特性と<旅>の持つ意味の関連について考える。 | |
授業の運営方法 | プリントによって考察対象となる作品を提示し、具体的に読み進めていく。その際、<旅>に関する土地のイメージが重要となるので、取り上げる土地の映像をできる限り提示し、実感としても理解できるようにする。さらに、受講者の自己表現能力を高めるためインタビュー形式を取り入れる。 遠隔授業の実施に関しては、「その他、履修生への注意事項」を参照のこと。 |
|
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 授業内課題(全4回)については、実施後の講義において解説等を行う。 学期末小論文に関しては、ポータルにて全体的な講評を行う。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない。 |
小論文・レポート | 60% | 学期末小論文を実施。授業目標の達成度合いや独自の見解を構築できているかによって、段階的に評価する。 |
授業参加 | 40% | 授業内課題を4回実施。授業内容に関する理解程度や、主体的・発展的な思考を試みているかを評価する。 |
その他 | 0% | アクティブラーニングの一環として、積極的に意見を述べた学生には、ボーナスポイントの評価をする。 |
テキスト | 授業資料として、文学作品のテキストが載ったプリントを配布する。 |
参考文献 | 『日本国語大辞典』(小学館) 『日本古典文学大辞典』(岩波書店) 『平安時代史辞典』(角川書店) 『角川日本地名大辞典』(角川書店) 片桐洋一『歌枕歌ことば辞典増訂版』(笠間書院) 『歌ことば歌枕大辞典』(角川書店) 『新編日本古典文学全集』(小学館) 『新日本古典文学大系』(岩波書店) 『学びを深めるヒントシリーズ 伊勢物語』(明治書院) |
関連ページ | 国文学研究資料館http://www.nijl.ac.jp/ |
その他、履修生への注意事項 | 【遠隔授業の運営方法】 ①方法 *分散登校の場合 対面授業をTeamsでリアルタイム配信する。 Teamsに参加できなかった履修者のために、レコーディングした動画をTeamsで共有する。 ➡初回の授業前に履修生宛にコードを伝える。 初回は参加するのに時間がかかるので、前日までに参加しておくこと。 *全員遠隔授業の場合 リアルタイム配信せず、音声動画をStreamで配信する。 *授業資料(プリント)は、ポータルの授業資料にて、実施授業一週前に配信する。 また、対面時に紙媒体でも配布する。 ②出席の確認方法 全受講者をポータルのアンケート機能によって出席確認する。 講義で指示する内容を、授業日のうち(火曜日23:59まで)に正確に入力すること。 ③授業内課題 分散登校の場合は、すべての学生がポータルによる提出とする。 ④質問等 オンラインによる質問はポータルの授業Q&Aのみによる。 アンケート機能などにもQ&Aはあるが使用しないこと。 こちらの指定した以外の方法(メール等)でのコミュニケーションは一切受け付けない。 *その他、変更・指示は、掲示及び授業資料によって連絡する。 ポータルでの連絡を見落とさないようにすること。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【全学共通科目】 |