科目名 | アジア現代史 | |
担当者 | 原 正人 | |
開講期 | 2023年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 近現代中国における思想潮流 ―儒教、女性、ファシズムとマルクス主義、リベラリズム(自由主義)を軸に― | |
授業の達成目標 | 1.近代以降の中国における知識人たちがどのような思想を受容/拒絶してきたのかを理解する。また、これらの思想潮流が日本などでどのように論じられているかを考えることができる。 2.彼らの思想的営為が現代の中国にどのように受け継がれているのかを理解し、説明できるようになる。同時に、中国における知識人と政治、さらには社会との関係をも視野に入れたい。 3.背景となる近現代中国の政治を中心とした歴史を理解し、概要がわかるようになる。 |
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今年度の授業内容 | 中国の近代以降における思想を、儒教、女性、ファシズムとマルクス主義、リベラリズムの四つのトピックを軸に概説します。これら四つはいずれも中国、そして世界においても重要な思潮ですが、この講義では、近代中国においてそれらがどのように語られてきたのかをみることで、中国の思想界が持つ独自性/普遍性を探ります。また、こうした思想の背景となる中国の近現代史についても、時折映像なども交えて説明します。したがって、中国あるいはこの四つの思想のいずれかに関心のある学生に聴講してもらいたいと思います。 |
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準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 特に予習は必要ないが、講義後には授業資料を見直して理解を深めておくこと。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | まず授業を聴いて、わからない部分やさらに調べたい部分があれば図書館などで調べましょう。また、質問などは教場で直接受けるほか、メール(hara@tamacc.chuo-u.ac.jp)でも受けつけます。 |
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第1回 | ガイダンス―本講義の視点と目的 | |
第2回 | 中国近現代史概説 | |
第3回 | 儒教とは何か?:儒教の哲学・倫理思想 | |
第4回 | 儒教(2):儒教とは何か?:儒教の政治・外交 | |
第5回 | 儒教(3):儒教批判の潮流:清末における儒教批判/アナーキズム/新文化運動/全面的西洋化論/批林批孔 | |
第6回 | 儒教(4):儒教擁護の思想:保守派/現代新儒学/体制下における儒教/儒教の現在 | |
第7回 | 女性(1):フェミニズムとジェンダー/前近代中国における女性の位置/清末の女性解放論 | |
第8回 | 女性(2):中華民国時期における女性解放論/五四運動と女性解放/その限界 | |
第9回 | 女性(3):現代中国における女性論/毛沢東とフェミニズム/現代中国の女性たちによる女性論 | |
第10回 | ファシズムとマルクス主義(1):それぞれの定義/中国におけるマルクス主義の受容 | |
第11回 | ファシズムとマルクス主義(2):中国におけるファシズムの受容/国民党と青年党 | |
第12回 | ファシズムとマルクス主義(3):毛沢東と蔣介石/争いの彼方に | |
第13回 | リベラリズム(1):定義/清末におけるリベラリズムの萌芽/五四新文化運動時期のリベラリズム | |
第14回 | リベラリズム(2):抗日戦争期/冷戦時期/現代中国のリベラリズム | |
第15回 | まとめと総括 | |
授業の運営方法 | 原則として講義形式で行う。出欠は携帯電話を用いた方法でとるほか、リアクションペーパーなどを提出させることもある。ただし、新型コロナウィルスの感染状況が悪化した場合は、オンデマンドなどに移行することもありうる。 |
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課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 履修者の多さも鑑みて、リアクションペーパーへの学生へのリアクションは講義中、あるいはポータル上にておこなうこととする。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 80% | 記述試験によって理解の定着度をはかる。 |
授業参加 | 20% | 出欠および授業の参加態度も成績に考慮する。 |
テキスト | テキストは用いず、適宜プリント類などを配布する。プリント類はなくさないようにすること。 |
参考文献 | 参考文献は授業資料に明記するが、さしあたって基本的な知識が得られる文献として以下を挙げておく。すべて新座キャンパス図書館に所蔵されている。 ・拙著『近代中国の知識人とメディア、権力―研究系の行動と思想、1912~1929』研文出版、2012年 ・戸川芳郎ほか『儒教史』山川出版社、1987年・横山宏章『中国近代政治思想史入門』研文出版、1987年 ・中国女性史研究会『中国女性の100年 : 史料にみる歩み』青木書店、2004年 |
その他、履修生への注意事項 | 中国にだけでなく、知的アンテナをできるだけ広く張り巡らせてください。また、当然のことですが、授業を真摯に(しかし楽しく)聴くこと。まじめに授業を聴いている学生を邪魔する行為は、言うまでもなく認められません。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【全学共通科目】 |