科目名 | 歴史理論 | |
担当者 | 岡山 麻子 | |
開講期 | 2023年度春学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 歴史理論 | |
授業の達成目標 | この授業では様々な歴史叙述の実例を紹介しながら、歴史家が歴史を書く動機と問題意識について考え、歴史叙述が成立する背景について考察を深めていきます。叙述された歴史を分析して、その特質を指摘し、そこから明らかになることと残る課題について説明できるようになることを目指します。 また歴史を、現代社会の状況認識に生かしていくためには、「近代」という歴史的時代の性質と問題性についての理解を欠かすことができません。ヨーロッパに起源をもつ「近代」の性質を踏まえた上で、ヨーロッパの影響を受けつつ、近代日本が、どのような政治・社会・文化を形成していったかを考えます。具体的に史料を読むことを通して、近代化する日本社会の課題や、そこに生きた人々の意識を読み取る技能を身に付けることを目指します。 |
|
今年度の授業内容 | この授業では、まず歴史叙述の読み方を批判的に検討します。歴史が書かれる背景として、歴史家の立場や基礎となった史料、時代状況などについて検討し、叙述された歴史から明らかになることと残される課題について、具体的に考察していきます。 さらに、「近代」という歴史的時代の性質と問題性について、近代日本を中心にヨーロッパとアジアも視野に入れつつ検討を進め、近代日本史を叙述する手がかりとなる史料を読み解いていきます。日本はヨーロッパに強い影響を受けながら、近代化を遂げようとしてきました。明治・大正・昭和の時代に生きた人々が書いた史料には、ヨーロッパを意識しつつ、いかにして日本が近代化を進めていくか、あるいは近代化によって失われたものをいかに回復させていくか、などの問題意識が強くうかがえます。そうした史料を読み解く方法を身に付け、近代日本の政治・社会・文化の諸相と、そこに生きた人々の生活や精神情況を分析していきます。 |
|
準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 事前に授業資料を読んで、時代の大まかな流れを把握し、疑問点を整理しておく。講義終了後は講義で取り上げた史料を再読して論点をまとめ、授業で指示のあった課題に取り組む。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 配付プリントに掲載された史料や参考文献を積極的に読むこと。 | |
第1回 | はじめに—歴史と現代 | |
第2回 | 歴史家と歴史叙述 | |
第3回 | 歴史叙述を読み解く方法と課題 | |
第4回 | 「近代」とは何か(1)—近代の時間意識 | |
第5回 | 「近代」とは何か(2)—近代合理主義の世界 | |
第6回 | 「近代」とは何か(3)—ナショナリズムとその相対化 | |
第7回 | 日本の近代化と国家への意識 | |
第8回 | 日記史料における国家と個人 | |
第9回 | 詩歌と時代意識―近代的自我の表現と社会― | |
第10回 | 美術に見る近代化と社会 | |
第11回 | 流行歌と大衆の生活意識 | |
第12回 | アジアの民俗と近代日本の問い直し | |
第13回 | アジアの近代化と日本の近代 | |
第14回 | 民衆の生活と史料 | |
第15回 | 結び—近代日本の歴史的性格と現代 | |
授業の運営方法 | 講義形式でおこなう。レジュメを配付する。 遠隔授業の実施が必要となった場合は、オンデマンドによる動画配信およびポータルにおける資料配信をおこなう。 |
|
課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 小課題やレポートについて、特徴的な見解の紹介と講評をおこなう。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 0% | 実施しない |
小論文・レポート | 70% | 期末レポート |
授業参加 | 30% | 小課題の内容 |
その他 | 0% | 実施しない |
テキスト | プリントを配付する。 |
参考文献 | 丸山眞男『日本の思想』岩波新書、1961年 鹿野政直『近代国家を構想した思想家たち』岩波ジュニア新書、2005年 |
その他、履修生への注意事項 | 遠隔授業日については、次の要領で実施する。 1遠隔授業日の出欠について 遠隔授業日は、受講後に小課題を提出することによって、出席とする。指定された期限までにポータルを通して小課題の提出を行う。 2遠隔授業の方法 ポータルによる資料・課題の配信、またはTeamsを利用した動画の配信をおこなう。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【全学共通科目】 |