科目名 | 歴史理論 | |
担当者 | 原 正人 | |
開講期 | 2023年度秋学期 | |
科目区分 | 週間授業 | |
履修開始年次 | 1年 | |
単位数 | 2単位 | |
授業の方法 | 講義 | |
授業題目 | 中国における史学理論と「歴史」の運命 | |
授業の達成目標 | 1.中国の各時代における史学理論の特徴を把握し説明できる。 2.中国における歴史学に関する制度設計の発祥や変遷を理解する。 3.歴史理論の背景にある中国の歴史やその運命について理解し、その概要が説明できる。 |
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今年度の授業内容 | 中国における「歴史」の考え方、そして史学理論の変遷を講義する。 いうまでもなく中国は日本の隣国であり、漢字をはじめとして文化や習慣においても日本にかなり大きな影響を及ぼしている。ただ、現在では日本人と中国人の歴史観の違いに気づかされることも多い。それは何に起因しているのだろうか。 この授業では、①中国の学術にとっての「歴史」の意味、②中国における史学理論の変遷、③近代以降の“初期グローバリゼーション”における史学理論の変化、④中国における政治と歴史学の関係の4つを中心に講義する。もちろん一般に言う「歴史」の意味やあり方、さらには中国の歴史などについても補助的に講じる予定である。 |
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準備学修 予習・復習等の具体的な内容及びそれに必要な時間について | 予習は特に必要ないが、授業後に授業資料を見直しておくことが望ましい。 | 合計60時間 |
自習に関する一般的な指示事項 | 予習は特に必要ないが、まずは講義を真剣に聞き、自分の考えたことや疑問に思ったことなどを図書館やインターネットなどで調べること。それでも解決しない疑問があれば、ポータルサイトなどを通じて担当教員に質問すること。 |
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第1回 | ガイダンス・導入 ―「歴史学」とはなにか |
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第2回 | 中国における「歴史」観 ―概論 |
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第3回 | 古代中国における歴史学(1) ―中国における古典と尚古史観 |
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第4回 | 古代中国における歴史学(2) ―古代中国における歴史叙述と制度設計 |
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第5回 | 近世における歴史学 ―考証学を中心に |
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第6回 | 近代におけるナショナリズムと「歴史」 |
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第7回 | 中国近代における歴史理論の発展(1) ―梁啓超の「新史学」をめぐって |
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第8回 | 中国近代における歴史理論の発展(2) ―革命と歴史学 |
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第9回 | 中国近代における歴史理論の発展(3) ―胡適の「国故整理」をめぐって |
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第10回 | 中国近代における歴史学 ―史学研究論と制度設計 |
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第11回 | マルクス主義と歴史学 |
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第12回 | 戦後中国における歴史学の運命 |
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第13回 | 現代中国と「歴史」 |
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第14回 | 戦後台湾における「歴史学」 |
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第15回 | まとめと総括 |
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授業の運営方法 | 原則として講義形式で行う。新型コロナウィルスの感染状況などによって遠隔授業とする場合は、オンデマンド方式で行うこととする。出席については、対面の場合は出席を取るかリアクションペーパーの提出をもって出席とし、遠隔授業の場合は小レポートの提出をもって出席とみなす。 |
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課題 試験やレポート等に対するフィードバックの方法 | 履修者の数を鑑み、講義中にコメントするか、ポータル上で各学生にコメントする。 |
評価の種類 | 割合(%) | 評価方法・評価基準 |
定期試験 | 80% | 記述式試験にて理解の定着度を図る |
授業参加 | 20% | 講義の参加態度を成績に加味する。 |
テキスト | 特定の教科書は設けない。授業ごとに資料を配布する。参考図書などは授業資料に掲載している。 |
参考文献 | 授業ごとに用いた文献については資料に明記するが、全体を俯瞰するものとして、以下を参考文献とする。 黄俊傑著・工藤卓司監訳『儒家思想と中国歴史思惟』風響社、2016年、ISBN978-4-89489-234-7 |
その他、履修生への注意事項 | まずは、東アジアに限らず、知的アンテナをはりめぐらせること。そのうえで講義を真摯に聞き、疑問点を積極的に調べる姿勢を持ってください。 |
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連 | カリキュラムマップ【全学共通科目】 |