| 辨 |
オリーブ属 Olea(木犀欖屬)には、次のようなものがある。
O. cuspidata(尖葉木犀欖)
O. dioica(異株木犀欖・白茶水・水掃把)
オリーブ O. europaea(油橄欖・洋橄欖・木犀欖)
O. hainanensis(海南木犀欖)
O. rosea(紅花木犀欖) 『中国本草図録』Ⅷ/3736
O. yunnanensis(雲南木犀欖) 『雲南の植物Ⅱ』209
var. xeromorpha(旱生木犀欖) |
| モクセイ科 OLEACEAE(木犀科)については、モクセイ科を見よ。 |
| 訓 |
漢名のうち、阿列布(アレツフ,aliebu)は olive の音写。齊墩(セイトン,qidun)は、アラブ語の zaytum の音写。 |
| 漢名を橄欖(カンラン,ganlan)というものは、カンラン科 Burseraceae(橄欖科)の木本カンラン Canarium album(橄欖;E.Chinese olive,Java almond tree)。従って、日本で俗にオリーブを橄欖と呼ぶのは誤り。 |
| 説 |
原産地と栽培の起源については諸説があり、かならずしも明らかではない、という。
古くからメソポタミア・シリアなどの地に野生し、B.C.3000-B.C.2000ころには栽培され始め、地中海沿岸地方に古くから伝わった。
今日では、広く北アメリカ(カリフォルニア)・南アメリカ・南オーストラリア・インドなどで栽培する。ただし、世界の三大生産国はスペイン・イタリア・ギリシア、しかも地中海沿岸で全生産量の97-98%を占める。 |
| 誌 |
果実を、淡黄緑色になったころに採って緑果塩蔵(グリーンオリーヴ)用にし、わずかに紅紫色を帯びたころに採って熟果塩蔵用(ライヴオリーヴ)にし、濃紫黒色に完熟したころに採ってオリーヴ油
olive oil を搾る。
オリーヴ油は、日本薬局方。 |
| ギリシア・ローマでは勝利・豊穣の象徴であり、ギリシアではアテナの木、ローマではユピテルやミネルヴァの木。ギリシアの国花。 |
キリスト教世界では、『旧約聖書』「創世記」にノアの洪水の後ハトがオリーヴの枝をくわえて来たことから、平和の象徴。
今日の国連の旗には、オリーブが意匠されている。 |
日本には、蘭医林洞海が文久3(1863)年にフランスから苗を導入し、横須賀で栽培したのが始まり。
(一説に18c.中葉、長崎の崇福寺でオリーブが実ったという)。
明治41年(1908)以降、香川県小豆島で栽培されている。今日では香川県の県木・県花。 |
オリーヴのあぶらの如き悲しみを彼の使徒もつねに持ちてゐたりや
(1946,齋藤茂吉『白き山』)
|