| 辨 |
デイコ属 Erythrina(刺桐屬)には、熱帯・亜熱帯に約110種がある。
トゲミデイゴ E. acanthocarpa
E. arborescens(刺木通・刺通樹・鸚哥花・喬木刺桐・泡龍刺桐・海桐皮)
『雲南の植物Ⅱ』137・『週刊朝日百科 植物の世界』4-271
アメリカデイコ(カイコウズ) E. crista-galli(E. americana;梯姑,テイコ,tigu)
サンゴシトウ(ヒシバデイコ) E. corallodendron(E.×bidwillii;龍芽花・珊瑚樹)
『中国本草図録』Ⅶ/3177
E. herbacea 草本
フイリデイコ E. variegata
デイコ(デイゴ) var.orientalis(E.boninensis, E.incidica;
刺桐・海桐皮・山芙蓉・空桐樹) |
マメ科 LEGUMINOSAE(FABACEAE;豆科)については、マメ科を見よ。
そのマメ亜科 Papilionoideae(Faboideae;蝶形花亞科)乃至マメ科 Papilionaceae(Fabaceae;蝶形花科)については、マメ亜科を見よ。 |
| 訓 |
和名は、漢語の梯姑(テイコ,tigu)の、沖縄地方の音。
梯姑は、梯梧(テイゴ,tiwu)・梯沽(テイコ,tigu)などとも書き、あるいは中国南方の方言に由来するものかともいう。 |
| サンスクリット語名はマンダーラ mandara(ヒンディー語でマーンダール mandar)、これを漢語に曼陀羅(マンダラ,mantuoluo)と音写する。 |
漢語・日本語の曼陀羅華(まんだらげ)には、次の3種類の植物のイメージが重なっている。
① 仏教経典に現れる曼陀羅華。乃ち サンスクリット名をマンダーラと呼ぶデイコ。
② 薬草チョウセンアサガオの別名。
③ 西洋の有毒植物マンドレークの翻訳語。
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| 説 |
東南アジア原産、インドにも野生する。
沖縄・台湾などでは庭木として植える。 |
| 誌 |
樹皮を海桐皮と呼び、薬用にする。 |
| マルコポーロ『東方見聞録』に、福建省泉州をザイトンと表記するのは、刺桐の音の訛りという。当時、泉州の城壁にはデイコが列植されていた。 |
日本では、九州南部以南で栽培する。沖縄県の県花。
中国では、泉州の市花。 |
仏教経典では、曼陀羅華(マンダラゲ,mantuoluohua)と呼び、美しい花の代表として、散華に用いる。
たとえば、『妙法蓮華経』序品に、ブッダ(仏,釈尊,お釈迦様)が ラージャグリハ(王舎城)のグリドゥラクータ(霊鷲山,りょうじゅせん)で、多くの人々に教えを説き終わると、「この時、天は曼陀羅華(まんだらけ)・摩訶(まか)曼陀羅華・曼殊沙華(まんじゅしゃけ)・摩訶曼殊沙華を雨(ふら)して仏の上及び諸(もろもろ)の大衆(だいしゅ)に散じ」た、という。
曼陀羅華は、マーンダーラヴァ花の音写、「適意華・天妙華」と意訳する。見る者の意を喜ばせる花、の意。曼殊沙華は、マンジューシャカ花の音写、「柔軟華」と意訳する。見る者に剛強から離れさせる花、の意。摩訶は、マハーの音写、「大」の意。
なお、曼殊沙華については、ヒガンバナを見よ。 |
曼陀羅華は、ブッダ(仏,お釈迦様)臨終の際も天から降った(『ブッダ最後の旅』)。
また、阿弥陀仏の居ます西方極楽浄土では、「昼夜六時に、曼陀羅華を雨ふらす(夜に三度、昼に三度、天上のマンダーラヴァの花の雨を降らせる)」という(『阿弥陀経』)。 |