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ききょう (桔梗)
学名 Platycodon grandiflorum(P.grandiflorum var.glaucum, P.glaucum) 日本名 キキョウ 科名(日本名) キキョウ科 日本語別名 アリノヒフキ(蟻火吹)、オカトトキ 漢名 桔梗(ケツコウ,jiegeng) 科名(漢名) 桔梗科 漢語別名 梗草(コウソウ,gengcao)、僧冠帽(ソウカンボウ,sengguanmao)、白藥(baiyao)、鈴鐺花(レイトウカ,lingdanghua)、包袱花(ホウフクカ,baofuhua)、綠花根(リョクカコン,lühuagen)、道拉基(ドウロウキ,daolaji) 英名 Balloon flower, Japanese bellflower
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| 辨 | キキョウ科 CAMPANULACEAE(桔梗科)には、次のようなものがある。 ツリガネニンジン属 Adenophora(沙參屬) Astrocodon シデシャジン属 Asyneuma(牧根草屬) ホタルブクロ属 Campanula(風鈴草屬) ツルギキョウ属 Campanumoea(金錢豹屬)ツルギキョウ C.mazimowiczii(C.javanica var.japonica)など Cephalostigma(星花草屬) ツルニンジン属 Codonopsis(黨參屬) Cynanthus(藍鐘花屬)『雲南の植物』215-216に5種 Heterocodon(異鐘花屬) Laurantia(同瓣草屬) Leptocodon(細鐘花屬) ミゾカクシ属(サワギキョウ属) Lobelia(半邊蓮屬) Pentaphragma(五膜草屬) タニギキョウ属 Peracarpa(袋果草屬)タニギキョウ P.carnosaなど キキョウ属 Platycodon(桔梗属) 下欄を見よ Popovicodonia サクラダソウ属 Pratia(銅錘玉帶草屬) Sphenoclea(尖瓣花屬) ユウギリソウ属 Trachelium(喉管花屬) キキョウソウ属 Triodanis ヒナギキョウ属 Wahlenbergia(蘭花參屬) |
| キキョウ属 Platycodon(桔梗屬)は、東アジアにはキキョウ1種がある。 | |
| 訓 | 和名キキョウは、桔梗の呉音ケチキョウの転訛。 アリノヒフキの名は平安時代からある。一説に、花瓣にアリの出す蟻酸が触れると、火を吹いたように赤くなることから。一説に、アリはキキョウを好み、春にその根を食べ、近くに巣を作るが、その形が火山乃至む火吹きに見えることからか、という(『週刊朝日百科 植物の世界』)。 トトキはツリガネニンジン、根を食用・薬用にすることが共通する。 |
| 深江輔仁『本草和名』(ca.918)桔梗に、「和名阿利乃比布岐、一名乎加止々岐」と。 源順『倭名類聚抄』(ca.934)に、桔梗は「和名阿里乃比布木」と、また「釈薬性云、苻■{艸冠に扈}〔音戸。和名乎加土々木〕」と。 |
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| 小野蘭山『本草綱目啓蒙』8(1806)に、「桔梗 アリノヒフキ和名鈔 アリノヒアフギ ヲカトゝキ古歌 ヒトヱグサ同上 キチカウ 佛吉草和方書 クハンサウ信州 セイネイ江州 今ハ通名キキヤウ」と。 | |
| 漢名桔梗は、根が引き締まって堅いことから。 李時珍『本草綱目』(ca.1596)桔梗の釈名に、「此の草の根、結実にして梗直、故に名づく」と。 |
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| 同書に、「白薬別録。 梗草別録。 薺苨本経。符巵」と。 | |
| 朝鮮名はトラジ。漢名の道拉基は、その音写か。 | |
| 学名の種名は「広い鐘」、花の形から。 | |
| 英名 Baloon flower は、蕾の形から。 | |
| 説 | 東アジアの温帯に分布。 日本では、全国に自生するほか、古くから観賞用・食用・薬用に栽培する。 |
| 全国では絶滅危惧Ⅱ類(VU)、埼玉県では絶滅危惧ⅠB類(EN)。 | |
| 雌雄異熟。雌蕊に先立ち、雄蕊が熟す。 根はサポニンを含み 有毒、食うには毒抜きが必要。 |
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| 誌 | 根を薬用にする。『中薬志Ⅰ』pp.383-384、日本薬局方。薬用・屠蘇の材料として古くから用いられた。 屠蘇散(とそさん)は、中国の魏の名医 華陀(かだ)が処方したと伝えられる漢方薬、肉桂・山椒・白朮・桔梗・防風・陳皮などを調合したもの。これを清酒または味醂につけたものを屠蘇酒と呼び、正月に飲む。 |
| 李時珍『本草綱目』(ca.1596)人参の集解に、「偽る者は、皆な沙參(サシン,shashen,しゃじん)・薺苨(セイデイ,jini,せいねい)・桔梗を以て根を采り、造作して之を乱す」と。沙參はツリガネニンジン、薺苨は Adenophora trachelioides。 | |
| 嫩葉・根を茹でて、水に晒して毒抜きすれば食用になり、救荒作物として用いられた。 | |
| 日本では、秋の七草の一。 すなわち、『万葉集』巻八(1537;1538)に「山上臣憶良(660-733)、秋の野の花を詠める歌 二首」に、 秋の野(ぬ)に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種(ななくさ)の花 萩が花尾花(をばな)葛花なでしこの花女郎花(をみなへし)また藤袴朝貌(あさがほ)の花 とある「朝貌」は、今日のアサガオではなくキキョウであるとする説が 一般に行われている。詳しくは、アサガオを見よ。 集中、ほかに 4首に詠われる朝顔のうち、10/2275;14/3502 の例は、「さく」にかかる枕詞。 朝かほは 朝露負いて 咲くといえど 暮陰(ゆふかげ)にこそ 咲きまさりけれ (10/2104,読人知らず) 展転(こひまろ)び 恋ひは死ぬとも いちしろく 色には出でじ 朝容(あさがほ)の花 (10/2274,読人知らず) 言(こと)に出でて 云はば忌(ゆゆ)しみ 朝貌の 穂には開(さ)き出ぬ 恋もするかも (10/2275,読人知らず) わ(吾)がめづま(目妻) ひと(人)はさ(離)くれど あさがほの とし(年)さへこごと わ(吾)はさ(離)かるがへ (14/3502,読人知らず) |
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| 桔梗の語の初見は、『出雲国風土記』(733)。 平安時代には、 あきちかう のはなりにけり 白露の をれる草ばも 色かはりゆく (紀友則、『古今和歌集』巻10物名「きちかうの花」) |
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| ききょうという音の初見は、清少納言『枕草子』第67段「草の花は」に、「をみなへし、ききやう、あさがを、かるかや、云々」とあるものや、紫式部『源氏物語』手習に、「かき(垣)ほにう(植)えたるなでしこもおもしろく、をみなへし・ききやうなどさきはじめたるに」とあるものなど。 | |
| 『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 夏之部」に、幾つかの品種を挙げる。 |
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