| 辨 |
ヤイトバナ属 Paederia(鷄矢藤屬)には、次のようなものがある。
P. pertomentosa(廣西鷄矢藤) 『中国本草図録』Ⅹ/4865
ヤイトバナ(ヘクソカズラ) P. scandens(鷄矢藤)
var. tomentosa(毛鷄矢藤) 『中国本草図録』Ⅳ/1863
P. yunnanensis(雲南鷄矢藤・毛葉黄藥・狗屁藤・臭屁藤) |
| アカネ科 RUBIACEAE(茜草科)については、アカネを見よ。 |
| 訓 |
和名は、植物体に悪臭を持つことから。灸花の名は、花を人の体につけると、お灸のもぐさに似ていることから(または花の中央がお灸の跡に似ていることから)。 |
深江輔仁『本草和名』(ca.918)女青に、「和名加波祢久佐」と。
源順『倭名類聚抄』(ca.934)に、女青は「和名加波禰久佐」、細子草は「和名久曽加豆良」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』12(1806)女青の条に、「クソカヅラ万葉集 細子草和名鈔 カバネグサ同上 ヘウソカヅラ ヲドリコサウ雲州 ヤイトバナ江州 ヲドリヅル阿州 ヲドリバナ土州 ヘクサンボウカヅラ同上 クサバナ加州 ニガイモ同上 タウヘバナ播州 アマクサヅル同上 ソウトメカヅラ東国 ソウトメバナ同上」、花は「白色ニシテ中心紫色、灸痂(ヤイトノフタ)ノ脱タルアトノ色ノ如シ、故ニヤイトバナノ俗名アリ」、「此実ヲ俗ニスゞメノタゴト呼」と。 |
| 説 |
広く日本・中国・東南アジアに分布、変異が多い。 |
| 誌 |
中国では、根・全草を薬用にする。 |
『万葉集』に、
■莢に 延(は)ひおぼとれる 屎葛(くそかづら)
絶ゆる事無くみやづかへせむ (16/3855,高宮王)
くそかづらは、ヘクソカズラ。■は 草冠に皂、したがって■莢は皂莢(ソウキョウ,zaojia)。さて、この皂莢を、古来カワラフジと読む説と、サイカチと読む説が両立している。 |
| 『花壇地錦抄』(1695)巻三「藤並桂のるひ」に、「百部桂(へくそかづら) 葉ニあしき香也。白紫成小りんの花さく。そうとめかつら共云」と。ここの桂は蔓の当字。百部はビャクブ、ヘクソカズラとは関係ない。 |