| 辨 |
イチビ属 Abutilon(■麻屬)には、世界の熱帯・亜熱帯に100種以上がある。
タイワンイチビ A. asiaticum
タカサゴイチビ(シマイチビ) A. indicum(磨盤草・磨子樹・磨爿果)
『中国本草図録』Ⅰ/0198・『中国雑草原色図鑑』135
タカサゴイチビ A. sinense(豹子眼睛花)
サキシマイチビ ssp.albescens
タイワンイチビ ssp. guineense(A.asiaticum)
イチビ A. theophrasti(■麻)『中国雑草原色図鑑』134
また、近年多くの外国産種を観賞用に栽培している(E.Flowering maple)。
A. darwinii(橙紅■麻)
フイリアブチロン A.×hybridum(觀賞■麻)
ウキツリボク A. megapotamicum
キフアブチロン A. pictum
ショウジョウカ A. striatum(條紋■麻)
A.×suntense |
| アオイ科 Malvaceae(錦葵科)については、アオイ科を見よ。 |
| 訓 |
漢字の莔は、普通には莔(ボウ,meng2)と読んでバイモの古名。
ただし、莔麻と熟するときは、莔は■{草冠に[同の横一文字を除いた字]}(ケイ,qing3)の異体字。したがって、日本でこれをボウマと読むのは誤り。
李時珍『本草綱目』に、略略「■は、一に◆{草冠に頃}に作る。種(うう)るに必ず頃(ケイ,qing,田畑の面積の単位)を連ぬ。故に之を◆と謂う」と。 |
| 漢名に麻と言うのは、もともとはタイマ(大麻)。後にタイマのように繊維を取る植物、例えばアマ(亜麻)・チョマ(苧麻)・コウマ(黄麻)・ケイマ(莔麻)・ケナフ(洋麻)なども麻と呼んだ。 |
深江輔仁『本草和名』(ca.918)■麻に、「和名以知比」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』11(1806)に、「■麻 イチビ ゴサイバ摂州 カナビキ豊前 シナノヲ伊賀」と。 |
| 説 |
インド原産。繊維植物として世界に広がったが、今は畑や荒地に野生化し、雑草となっている。
中国では、『唐本草』に初見。
日本では、『本草和名』に■麻を伊知比と訓む。一説に、宝永(1704-1711)年間までには栽培されていた、と。 |
| 誌 |
種子を薬用にし、『唐本草』に■実(ケイジツ)として初出。
ただし、今日の中国で冬葵子(フユアオイの種子)として売られているものはすべて■麻子(ケイマシ)であるという(『中薬志Ⅱ』pp.86-90)。 |