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くり (栗)
学名 Castanea crenata 日本名 クリ 科名(日本名) ブナ科 日本語別名 シバグリ、ニホングリ 漢名 日本栗(ニホンリツ,ribenli) 科名(漢名) 殻斗(コクト,kedou)科 漢語別名 英名 Maron, Japanese chestnut
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| 辨 | クリ属 Castanea(栗屬)には、北半球の温帯・暖帯に約10種がある。 クリ C. crenata(日本栗) 日本産 アメリカグリ C. dentata C. henryi (錐栗・珍珠栗) 中国産。『中国本草図録』Ⅵ/2535 var. omeiensis(峨嵋錢栗) チュウゴクグリ(イタグリ・アマグリ・シナアマグリ) C. mollissima (C.bungeana; 栗・板栗; E.Chinese chestnut)『雲南の植物Ⅱ』150・『中国本草図録』Ⅲ/1071 チンカビン C. pumila ヨーロッパグリ(セイヨウグリ) C. sativa(E.European chestnut) ヨーロッパ産。マロングラッセの原料 C. seguinii(茅栗・錐栗・野栗子・毛栗) 中国産 |
| ブナ科 Fagaceae(殻斗科)については、ブナ科を見よ。 | |
| 訓 | 深江輔仁『本草和名』(ca.918)栗皮、及び源順『倭名類聚抄』(ca.934)栗に、「和名久利」と。 小野蘭山『本草綱目啓蒙』25(1806)栗に、「クリ和名鈔。皮色黑シ、故ニ名ク」と。 |
| 説 | 原種のシバグリは、日本(北海道・本州・四国・九州)・朝鮮(南部)に分布。栽培されるクリより実が小さい。日本では縄文時代から利用されている。 小野蘭山『本草綱目啓蒙』25(1806)栗の条に、「又シバグリアリ、一名サゝグリ和名鈔 ヌカグリ モミヂグリ。木高サ五六尺ニ過ズシテ叢生ス。房彙(イガ)モ小ナリ。ソノ中ニ一顆或ハ二三顆アリ。形小ナレトモ味優レリ。是茅栗ナリ」と。 |
| 奈良・平安時代から実の大きい品種が作られてきた。 小野蘭山『本草綱目啓蒙』25(1806)栗の条に、「栗ノ形至テ大ナルヲ丹波グリト云、一名料理グリ オホグリ テゝウチグリ」と。 |
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| 誌 | 中国では、栗(チュウゴクグリ)は古くから利用され、栽培された。 『詩経』国風・鄘風(ようふう)・定之方中には、「定の方(まさ)に中(ちゆう)するとき、楚宮を作る。之を揆(はか)るに日を以てし、楚室を作る。之に榛(しん)栗(りつ)と、椅(い)桐(とう)梓(し)漆(しつ)を樹(う)え、爰(ここ)に伐(き)りて琴瑟(きんしつ)とす」とあり、栽培されていたことが明らかである。 |
| 『大戴礼』「夏小正」八月に、「栗 零(お)つ。〔零つるとは、降るなり。零ちて後 之を取る。故に剥ぐと言はざるなり。〕」と。 『礼記』「内則」に、周代の君主の日常の食物の一として栗を記す。 |
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| 賈思勰『斉民要術』(530-550)巻4に「種栗」が載る。 | |
| 日本では、縄文時代の遺跡から出土し、食料・建材として用いられていた。 文献では『古事記』『万葉集』などに出る。『延喜式』には、栗の産地として丹波・但馬などがあげられている。 |
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| 『万葉集』に、 ・・・うり(瓜)はめば こどもおも(思)ほゆ くり(栗)は食めば ましてしの(偲)ばゆ・・・ (4/802,山上憶良) |
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| 「三つ栗の」は、いがの中に実が三つ入っているものの中央の意から、「中」にかかる枕詞。 いざ子ども 野蒜摘みに 蒜摘みに 我が行く道の 香ぐはし 花橘は 上枝(ほつえ)は 鳥居枯らし 下枝(しずえ)は 人取り枯らし 三栗の 中つ枝の ほつもり 赤らをとめを 誘(いざ)ささば 良らしな (『古事記』・『日本書紀』、応神天皇の歌) 三栗のなか(那賀)に向へる曝井(さらしゐ)の絶えず通はむそこに妻もが (9/1745,読人知らず「那賀郡曝井の歌」) 松反り しひて有れやは 三栗の 中上り来ぬ 麿と云ふやつこ(奴) (9/1783,柿本人麻呂の妻) |
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| 西行(1118-1190)『山家集』に、 やまかぜに みねのさゝぐり はらはらと 庭にお(落)ちし(敷)く 大原の里 (寂然) |
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| 戦国時代以来、かちぐりを 縁起物として好む。 「又かち栗はわらの灰のあくに一夜漬け置きて、明る日日出でて取出し、さらし乾し、肉よくかはきて堅く成りたる時皮をうち去るべし。臼につきて去りたるもよし」(宮崎安貞『農業全書』1697)。 |
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世の人の見付ぬ花や軒の栗 (芭蕉,1644-1694) 秋風のふけども青し栗のいが (同) 行(ゆく)あきや手をひろげたる栗のいが (同) |
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栗の花四十路過ぎたる結髪の日暮はいかにさびしかるらむ (北原白秋『桐の花』1913) いがながら栗くれる人の誠かな (正岡子規) 大根も秋菜も漬けぬ村の女(め)は庭べの土に栗をうづめぬ (島木赤彦『馬鈴薯の花』1913) 秋晴のひかりとなりて楽しくも実りに入(い)らむ栗も胡桃(くるみ)も (1945,齋藤茂吉『小園』) やうやくに病(やまひ)癒えたるわれは来て栗のいがを焚く寒土(さむつち)のうへ あたらしき時代(ときよ)に老いて生きむとす山に落ちたる栗の如くに (1946,齋藤茂吉『白き山』) |
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| 天津甘栗の材料はチュウゴクグリ、マロングラッセの材料はヨーロッパグリ。 |
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