| 辨 |
裸子植物については、裸子植物を見よ。 |
イチイ科 Taxaceae(紅豆杉科)には、北半球に4属・南半球に1属がある。
ウラジロイヌガヤ属 Amentotaxus(穗花杉屬) 中国乃至インド(アッサム)に1-4種
A. argotaenia(穗花杉・華西穗花杉) 『中国本草図録』Ⅶ/3041
A. formosana(臺灣穗花杉)
A. yunnanensis(雲南穗花杉)
ナンヨウイチイ属 Austrotaxus(澳洲紅豆杉屬) ニューカレドニアに1種
Pseudotaxus(白豆杉屬) 中国に1種
P. chienii(白豆杉)
イチイ属 Taxus(紅豆杉屬)
カヤ属 Torreya(榧樹屬) |
イチイ属 Taxus(紅豆杉屬)には、9種がある。
セイヨウイチイ(ヨーロッパイチイ) T. baccata(E.Yew)
T. brevifolia
T. canadensis
T. celebica 中国・フィリピン・インドシナ・セレベスに分布
T. chinensis(紅豆杉・中國紅豆杉・卷柏・扁柏・紅豆樹・觀音杉)
『中国本草図録』Ⅶ/3042、『中草藥現代研究』Ⅲp.305
var. mairei → T. mairei
イチイ(アララギ・オンコ) T. cuspidata(東北紅豆杉・紫杉・赤柏松・米樹)
キャラボク var. nana
T. mairei(T.chinensis var.mairei;南方紅豆杉・美麗紅豆杉)
T. wallichiana(西藏紅豆杉・喜馬拉雅紅豆杉)
T. yunnanensis(雲南紅豆杉) 『雲南の植物Ⅰ』41 |
| 訓 |
和名シャクノキは、この材で神主の用いる笏(しゃく)を作ったことから、という。『倭名類聚抄』に「木可為笏也」とある。
イチイは、むかし仁徳天皇の時代に、飛騨位山に産するイチイ木の材から、正一位・従一位の笏を作ったので、爾来この木を笏の料にと定め、木に正一位を授けた、という伝説から。 |
日本全国各地の方言に、アララギがある。
あららぎは「まばらに生えるネギ」の意で、本来ノビルを指す。そのアララギとイチイの結びつきについては、ランの訓を見よ。 |
アイヌ名をララマニ・ラルマニ、つまりララマの木という。
一説に、アララギは このララマニの転訛と云う、そうとでも考えなければ アララギの名義を思いつかぬ、と(武田久吉『民俗と植物』)。 |
| アカギ・ミネゾウは、材が紅褐色であることから。 |
| キャラボク・ヤマビャクダンとは、材の色と香りがビャクダンに似ることから。 |
| 説 |
日本・朝鮮・中国(東北)・東シベリア・サハリンに分布。埼玉では絶滅危惧Ⅱ類(VU)。
日本では、しばしば庭木・生垣として植栽。 |
| 葉や種子は有毒(赤い果肉は無毒)。 |
| 誌 |
中国では、枝葉を薬用にする。『中草藥現代研究』Ⅲp.305 |
| 『万葉集』に櫟(いちひ)とあるもの(16/3885)は、今日のイチイではなく、ブナ科のイチイガシ。 |
| 『花壇地錦抄』(1695)巻三「冬木之分」に、「伽羅木(きやらほく) つがもみのごとくにて、色青黒し。根本より葉こもりて、木ふり見事。笏ニ用らるゝ木ニて、一位木(いちいほく)共いふとぞ。此木、異名多し。○おつかう○みねすわり○あらゝぎ○とが○一位。此木ヲ植レバ疫をはらふとて加羅木といふよし。葉は少の異にて、色々の名あり○めきやらぼくハ、葉こまかにつまりて八重 ○をきやらぼくハ、葉あらし ○ひとへきやらハ葉もミのごとし。葉八重成めきやらぼくを上とス」と。 |
あららぎのくれなゐの実を食むときはちちはは恋し信濃路にして
(1921,斎藤茂吉『つゆじも』)
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| イギリスでは、ヨーロッパイチイをトピアリ(刈り込み)の素材とする。 |