| 辨 |
いわゆる柑橘類の果樹、及びミカン属(カンキツ属) Citrus(柑橘屬)については、かんきつ類を見よ。 |
| 訓 |
和名ダイダイは、その果実が冬に黄色く色づくが、翌夏にいったん緑化し、そののち再び黄色く色づくので、二代にわたる果実が樹上になることから。
カブスは、果皮を蚊遣りに用いたことから。 |
漢名の橙(トウ,cheng)は、アマダイダイ var. sinensis(C.sinensis)を指す。
日本では、深江輔仁『本草和名』(ca.918)橙に「和名阿倍多知波奈」と。源順『倭名類聚抄』(ca.934)橙に「和名安倍太知波奈」と。 |
| 説 |
インドのアッサム地方の原産という。ヨーロッパではサワーオレンジと呼び、マーマレードの材料として栽培し、スペインのセビリャ地方の名産。
日本には、中国で品種分化したものが渡来。スペインと並ぶ生産国。 |
| 誌 |
中国では、
ダイダイ C. aurantium(酸橙・皮頭橙・鈎頭橙)
C. grandis var. shanyuan(C.wilsonii;香圓・西南香圓) C.grandis はブンタン
カラタチ P. trifoliata(枸橘・枳・臭橘)
などの幼い果実を枳実(キジツ,zhishi)と呼び、成熟直前の緑色の果実を枳殻(シコク・キコク,zhiqiao)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅱ』pp.259-274
なお、日本薬局方の枳実は、ダイダイ C. aurantium の未熟果実(丸ごと又は半割)のみを用い、カラタチは用いない。 |
日本では、その実を縁起物として正月に飾る。
果実は食酢とし、果皮は橙皮(トウヒ,chengpi)と呼んで 薬用・浴湯料にする。むかし、橙皮を燻して蚊遣りに用いた。 |
| かつて垂仁天皇(4c.)が田道間守(たじまもり)を常世(とこよ)の国につかわして求めさせた「非時香果(ときじくのかぐのこのみ)」の正体について、古来ダイダイ説、キシュウミカン説、タチバナ説があるが、定まらない。タチバナの誌を見よ。 |
| 『花壇地錦抄』(1695)巻三「柑(かう)るひ」に、「だいだい 祝儀ニ用ル代々なり。実ハ三四五年も不落」と。 |
欧米では、花から香油を採り、ネロリ油 neroli oil(橙花油)と呼ぶ。
果実をマーマレード・糖菓などに加工して食う。 |