| 辨 |
ビワ属 Eriobotrya(枇杷屬)には、中国・東南アジア・ヒマラヤの暖温帯・亜熱帯に約25種がある。
E. cavaleriei(大花枇杷)
タイワンビワ E. deflexa(臺灣枇杷)
『中国本草図録』Ⅸ/4161・『週刊朝日百科 植物の世界』5-142
ビワ E. japonica(枇杷)
E. prinoides(櫟葉枇杷)
E. serrata(齒葉枇杷) 『雲南の植物Ⅲ』121 |
| バラ科 Rosaceae(薔薇科) ナシ亜科 Pomoideae(梨亞科)については、ナシ亜科を見よ。 |
| 訓 |
和名は、漢名の音。漢名は、実の形が琵琶(ビワ,pipa; 西方から渡来した楽器)に似ることから。 |
深江輔仁『本草和名』(ca.918)枇杷に、「和名比波」と。
源順『倭名類聚抄』(ca.934)枇杷に「琵琶二音、此間云味把」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)26枇杷に、「ビハ和名鈔 ビヤ本草類編選 コフクベ同上」と。 |
| 説 |
日本(暖地。北限は埼玉県)・中国(長江以南)の原産。野生品の実は直径約2cm。
日本には稀に野生しているが、古く渡来したものとする説がある。 |
| 誌 |
中国では、葉を枇杷葉と呼び薬用にする。『中薬志Ⅲ』pp.284-286
果実を食用にし、古くから栽培。6世紀までには品種が分化していた。 |
| 日本では、正倉院文書に記され、『延喜式』『本草和名』などにその名が載る。 |
『古今集』(ca.910)10物名に 紀乳母(きのめのと)が「さゝ(笹)・まつ(松)・びは(枇杷)・はせをば(芭蕉葉)」を詠いこんだ歌が載る。
いさゝめに 時まつまにぞ 日はへぬる 心ばせをば人に見えつゝ
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| 「枇杷は諸菓に先立ちて熟しめづらし。・・・余地あらば多くもうゆべし。都近き所にては利潤ある物なり。・・・又木の節なく直なる所木刀にして無類の物なり」(宮崎安貞『農業全書』1697)。 |
| 果実としての栽培が盛んになったのは、天保・弘化(1830-1848)頃、中国から大型の果実をつける品種茂木(もぎ)が伝えられてから以降のこと。 |
枇杷の木に黄なる枇杷の実かがやくとわれ驚きて飛びくつがへる
枇杷の実をかろくおとせば吾弟(わおと)らが麦藁帽にうけてけるかな
(北原白秋『桐の花』1913)
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