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せきとう 石濤 Shitao
明・崇禎15(1642)年-清・康煕46(1707)年
清代初期に活躍した明の遺民、僧侶、画家。
ほぼ同時期に活躍した画僧、八大山人(1626-1705)・石谿(髠残、17c.)とともに「明末三和尚」と呼ばれ、またこれに弘仁(漸江、1610-1663)を加えて「四僧」とも呼ばれる。
石濤の生涯については、旧来その生卒年を初めとして不明なことがらが多かったが、1970年代に汪世清によって李麟の『虬峰文集』中の「大滌子伝」等の石濤関連紀事が紹介され、その生涯について多くのことがらが知られるに至っている。
すなわち、石濤は明朝王室の後裔、父は靖江王・朱亨嘉{シュコウカ}、本名は朱若極、僧としての法諱は原済(元済)・済(しばしば道済と記されるのは誤り)。号は清湘陳人・大滌子{ダイテキシ}・苦瓜{クカ}和尚・小乗客・瞎尊者{カツソンジャ}など。
靖江王府(広西チワン族自治区全州)に生まれる。1645年4歳のとき、明清交替の混乱に際して父・朱亨嘉は監国と自称したが、広西巡撫・瞿式耜{クシキシ}(1590-1650)に捕えられ、殺された。このとき石濤は廷臣に負われて逃げ、出家し、のちに武昌(湖北省)に至り、ここで少年時代を送り、学問と書画を学ぶ。
1663年22歳、松江(上海市)で臨済宗天童派の木陳道忞・旅菴本月に禅を学ぶ。1666年25歳、宣城(安徽省)の敬亭山広教寺の住持となり、施閏章(1618-1683)・呉晴嵒{ゴセイガン}・梅清(1623-1697)・梅庚(1640-?)兄弟らと詩画の交友を行い、しばしば黄山に遊んでその景勝を画いた。
1680年39歳、金陵(江蘇省南京)長干寺一枝閣に住し、戴本孝(1621-1693)・程邃(1605-1691)・湯燕生らと交友する。
1684年と1689年、聖祖康熙帝(在位1662-1722)の南巡に際して謁見した。1690年49歳、北上して京師(北京)に至り、3年間滞在。博爾都(ポルト、1648-1708)・耿昭忠(1640-1686)ら満州貴族の庇護を受け、宮廷画家・王原祁(1642-1715)と共作を行った。
1692年51歳、南帰して揚州に至り、大滌草堂を建て、塩業を営む豪商たちの庇護を受けつつ、ここに売画自給した。
画技は幅広く、山水・人物から花卉雑画に至る。
代表作は、宣城時代の「十六羅漢図」巻(1667年26歳。ニューヨーク/メトロポリタン美術館蔵)、南京時代の「細雨■松{キュウショウ}図」軸(1687年46歳。上海博物館)、北京で王原祁と合作し宮廷に収められた「蘭竹図」軸(1691年50歳。台北/国立故宮博物院蔵)、揚州時代の「黄山図」巻(1699年58歳。京都/泉屋博古館)・「廬山観瀑図」軸(京都/泉屋博古館)など。
著書には晩年の画論『画語録』がある。
【参考】
『朶雲』56「石濤研究」(上海書画出版社、2002)
汪世清「『虬峰{キュウホウ}文集』中有関石濤的詩文」(『文物』1979-12)
汪世清「石濤散考」(『朶雲』56(上海書画出版社、2002)所収; 原載香港『大公報』1978-1982)
張子寧「石濤の白描十六尊者巻と黄山図冊」(『国華』1184・1185)
『石濤 黄山八勝画冊(原寸大複製)』(古原宏伸解説。筑摩書房、1970)
島田修二郎「黄山八勝図冊 石濤筆」(『二石八大』1956;『中国絵画史研究』所収)
『黄山図巻』(泉屋博古館、1986)
宮崎法子「石濤と黄山図巻」(『泉屋博古館紀要』2、1985)
西上実「黄山八勝画冊私考」(『山水』京都国立博物館、1985)
島田修二郎「廬山観瀑図 石濤筆」(『明末三和尚』1954;『中国絵画史研究』所収)
【作品】
○「十六羅漢図」巻(1667年26歳。ニューヨーク/メトロポリタン美術館蔵)
○「鬼子母掲鉢図」巻(ボストン美術館蔵)
○「細雨虬松{キュウショウ}図」軸(1687,上海博物館蔵)
○「蘭竹図」軸 (1691,北京にて王原祁(1642-1715)と合作。台北/国立故宮博物院蔵)
○「山水花卉小品」冊(ca.1695, 米国/方聞夫妻蔵)
○「黄山図」巻(1699, 京都/泉屋博古館蔵)
○「黄山八勝図」冊(京都/泉屋博古館蔵)
○「廬山観瀑図」軸(京都/泉屋博古館蔵)
○「西園雅集図」巻(上海博物館蔵)
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